2020年から新型コロナウィルスが世界で猛威を振るっております。日本ではオリンピック終盤からウィルスの1日当たり新規感染者数が1万人を超え、緊急事態宣言が出されてから、期間の延長が2度もありました。
今回は、国内製薬会社の中でも利益率がトップの塩野義製薬について分析します。
塩野義製薬(4507)基本データ
社 名 | 塩野義製薬㈱ |
本 社 | 日本 大阪 |
ティッカー | 4507 |
セクター | Health Care:健康管理 |
創 立 | 1919年 |
上 場 | 1949年(東証1部) |
時価総額(USD) | 19.579 Bil(2021.8.26) |
製薬会社のビジネスモデル
製薬会社は2つに分けられます。
1つ目が『メガファーマ』と呼ばれる、様々な分野の薬を扱い、事業を安定させる製薬会社。例えば、ファイザーやロシュなどの企業で、どの企業も買収を重ねて薬剤の規模を大きくしています。
2つ目が『スペシャリティファーマ』と呼ばれる、特定の病気に特化した薬を開発する企業です。シオノギ製薬はこちらになります。
事業内容
シオノギ製薬として国内のみならず、欧州にも知られる日本国内の中堅製薬会社です。医療医薬品へ特化を進めて、2005年にカプセル事業を売却しました。「循環/代謝」、「感染/免疫」、「神経/疼痛」の3分野をコアとしています。
皆さんはうがい薬と聞いて何を思いますか?うがい薬の中に『イソジン』ありますよね。実はこの商品もシオノギ製薬です。
この他にも、抗インフルエンザ薬の『ゾフルーザ』、高コレステロール血症医療薬『クレストール』、抗うつ薬『サンバルタ』などが主力医薬品です。
一時、世間を賑わかせたゾフルーザを開発しております。この薬は1回の服用で済みさらに経口薬のため、抗インフルエンザ薬として画期的な医療薬でしたが、営業アナウンス不足で世間をざわつかせました。
口から飲む形で摂取する薬のこと。 内服薬ともいう。
シオノギ製薬の販売エリア
地域 | 売上構成比 |
欧州 | 52.0% |
日本 | 39.9% |
その他 | 5.1% |
北米 | 3.0% |
出典:マネックス証券
売上高の構成は欧州がトップとなります。現在、北米への販売に力をいれていますが、中国を軸にしたアジアへの展開も狙っています。

シオノギ製薬の業績

売上高が2020年以降の右肩下がりなのが気になります。これは、2020年に新型コロナウィルスの影響から感染症予防対策が広がり、インフルエンザなどの患者が減少に加え、医療機関への受診控えなどが影響し、主力である医療用医薬品の売上が減少したためです。
営業利益率も下がりましたが、それでも30%以上利益率を確保するガイダンスです。(2019年:39%、2022年:予31%)
2020年度の決算説明資料を貼っておきます。

今後の業績予想
塩野義製薬の投資家向けプレゼン資料の抜粋です。

KPIを見ると2019年と比較して、2022までEPSは下回る予想しています。
新型コロナウィルス
シオノギ製薬は新型コロナウィルスに対して、『ワクチン』と『治療薬』を開発に取り組んでいました。
ついに、治療薬の治験が始まりました。ワクチンの開発では遅れていましたが、治療薬をしかも『経口薬』タイプの薬剤です。経口薬であれば、輸送・保管も簡単に出来るため、世界中に広がると予想できます。
ただし、こちらの薬は”医薬品発売後に評価を行う条件”で早期承認となるそうです。
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