こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

FRBは利上げを急ぐのか?という疑問を持つ方へ向けて記事を書きました。
2021年最後のFOMCでは、事前のパウエル議長の発言(パウエルショック)もあって、当日は株式市場は落ち着いてクローズしました。
しかし、その翌日に『イギリス利上げ』により、NASDAQ100は大きな陰線をつけ、S&P500も下落で終了ました。FRBが利上げを急ぐ理由は “過度なインフレ” です。
今回の記事はCPIとFFレートについて分析して、今後のリスクについて解説します。
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現在のインフレ(CPI)
なぜFRBはインフレを退治したいのかと言うと、インフレが行き過ぎると、経済の悪化に至ってしまうからです。
このキャプチャーの灰色部分が株式市場のリセッションを表しています。1990年以降を確認すると、いずれも5%程度のインフレが進むとリセッションが発生していることから、経済の悪化していることが読み取れます。
- 低賃金労働者
物価上昇で生活が苦しくなる
- 消費の鈍化
食料などの生活必需品のみ購入
- 企業業績の悪化
売上高が下がる
- 企業の大量リストラ
- 失業者の増加
更に需要減
この経済の悪化を説明すると、賃金が上昇しない労働者が、物価の上昇で生活が苦しくなり、消費が鈍化します。そうして、企業業績が悪化し、企業は経営改善のため大量のリストラを実行します。
多数の企業がリストラに踏み切ると、失業者が増加し、更に需要が減少しますから、経済全体に悪影響を及ぼします。
失業率が悪化すると、結果して株式市場に悪影響を与え、FOMCメンバーとりわけ、FRB議長という立場が危うくなってしまいます。
FRBが嫌悪するインフレ
FRBは一度上げたら下げることが難しい “賃金” と 米国家庭の家計簿に占める割合が最も大きい“住居費” の上昇に特に注意を払っています。
利上げの理由
そもそも『利上げ』をなぜ行うかを言うと、FRBは経済成長を長続きさせたいからです。
利上げを行わなければ、投資マネーが群雄割拠して、家賃が高くて住むところが無くなったり、生活必需品が購入しにくくなります。
この異常事態を納めて、高経済成長を長引かせるために利上げを行います。
過去のCPIと政策金利
“CPI” と “政策金利” が大きく乖離していることから、FRBが経済悪化を懸念して、利上げを急ぐ可能性が十分あります。
このキャプチャーは青:CPI 〔1〕と 赤:政策金利(FFレート)のチャートです。
過去に、CPIと政策金利が現在のように大きく乖離しているのは1984年8月以来となります。この幅を埋めるようにFRBは利上げに大幅な利上げとなるのでは?と勘ぐってしまいます。
〔1〕:CPIとはConsumer Price Index の頭文字で、消費者が購入する商品やサービスの価格の変動を総合的にとらえる物価指数。
急激な利上げと株式市場
それでは、仮に急激な利上げが起きた時に、どうなったか過去を振り返ってみましょう。
上のキャプチャーの “赤い→” が急激な利上げを表し、その後 “赤枠” で囲った株式市場のリセッションが起きています。
つまり、急激な利上げが起きた時には、リセッションが起きる可能性が高いと言えます。
利上げとリセッションまでの期間
2008年にあったリーマンショック時を参考にします。
2004年6月から2006年8月の約2年で4.15point金利が上昇しました。その1年4ヶ月後に、暴落が発生しました。
リーマンショックと同様な時期
時間軸を現在にあてはめてみます。
2022年3月から利上げ実施。2024年5月の約2年で4%以上の利上げ実施。その1年4ヶ月後となる2025年9月に暴落が発生。
シュミュレーションでは、以上の結果となります。しかし、FRBは急激に利上げが出来ない理由もあります。それは次回の記事で解説します。
パウエル議長の2022.5の利上げ50bp発言から、2022.12時点で2.75%まで利上げ観測見込みが織り込み始めています。
FRBが利上げを急ぐ局面
合理的な知見から、FRBは急速な利上げをしたくても出来ない状況と言われていますが、それでも利上げを急速に出来る場合を想定します。
- FOMCのメンバーによるタカ派的な発言が相次いで出た場合
- 他国の利上げが進行した場合
金融政策はFRB議長の意見が全てではない
結局、FOMCの金融政策決定は多数決で決定されます。
パウエル議長は2期目に突入しており、2026年まで任期が決定しております。そのため一定程度の自分の意見は押せますが、FOMCの議決権は1票です。
インフレ高進が止まらない場合、FOMCメンバーから「0.5%づつの利上げで良いのでは?」というような発言が出だすと、市場が動揺してリセッションを起こす可能性が高いです。
パウエル議長の2022.5の利上げ50bp発言から、市場は次の次の(6月15日)FOMC後の利上げ75bpを織り込み始めました。
他国が利上げをした場合
現在の利上げを行う主要国はイギリスのみとなります。これにドイツが加われば、魅力的な債券投資先が増えるため、金利を上げる要件が整います。
まとめ
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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