
増配が発表され高配当銘柄となった『日本郵船』を紹介します
日本郵船は日本1位の海運業企業で、世界各国のハブ港間にて海上輸送サービス提供しています。
日本郵船(9101)基本データ
社 名 | 日本郵船(NYK Group) |
本 社 | 日本 東京 |
ティッカー | 9101 |
セクター |
Industrials:情報技術
|
創 立 | 1885年 |
上 場 | 1949年(東証) |
時価総額(USD) | 160.0 Bil(2021.9.17) |
売上構成

日本郵船の業績
海運業はコロナウィルスの影響による、『巣ごもり需要』が業績に影響しています。特に、アメリカでは『巣ごもり需要』が顕著でコンテナの積荷が40%増えました。更に、2021年から急激に運賃が増加して約3倍になりました。

さらに過去の月別運賃推移はこちら
コンテナ船の運賃上昇には、コロナウィルスによる反動需要が要因となります。
具体的には、2020.4月ごろに、コロナ禍により物量が一時ストップしました。ところが、コロナ禍でも運ぶべき”物”はどんどん蓄積してしまいます。一方で、ロックダウンやコロナ対策で運送業者の労働力が減りました。
こうした状況の中、Eコマース需要が伸び、平時より”運ぶ力”が必要とされたため、運ぶ需要は高まりました。
そうしたことから、運搬費は上昇が続いています。

運搬費の上昇したのに対して、運搬コストはコロナ禍以前とほとんど変わらないため、営業利益率が上昇しました。2022.3のコンセンサス予想は売上高+20.1%、営業利益+139.8%、当期利益+330.7%となります。
2020.1Qと2021.1Qを比較した場合、売上高39.7%増、営業利益5.9倍、最終益で13倍と想像以上に大きい。
日本郵船の経営陣も、一時的な業績との認識から、通期予想は控えめに発表しています。
前回の記事で、世界のコロナウィルス感染者数を載せましたが、とりわけアメリカの感染者数が減っていないため、私個人としては通期業績までに上方修正が何度か行われると思います。
配当金

配当については、日本郵船は配当性向を25%という、業績連動型の配当を定めています。そのことから、暫くは低迷して、2017年無配に転落してしまいます。コロナ禍の影響が業績に表れ始めた2021年に配当金200円、そして、2021.8に200円から期末の配当で500円へとの増配発表してから、一時11%の高配当利回りとなりました。
この発表を受け、株価5000円代であったものが、一気に1万円代まで上昇しました。
海運業シェア

業績を見ても分かるように、2012年と2017年に赤字に転落しています。これは同社の競合他社である、”商船三井” “川崎汽船”ともに業績が悪い年となりました。
このことから、収益改善のために各社が約30%ずつ出資して、オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)というコンテナ事業の統合会社を立ち上げました。世界の企業と価格競争や交渉を行うよう、大きな規模を持つということでした。
まとめ
今回のコロナ禍で、コンテナ船の運賃交渉ができたのも、統合会社のONEがあったからと思います。
しかし、コロナ禍による特需が無くなれば、一気に業績が苦しくなります。
このコロナ禍がいつまで続くのか見えませんが、前回の記事で集団免疫達成までを逆算して4~8年と求めました。それほど長く続くか、もしくは短くなるのかを見定めて投資判断が必要でしょう。
それでは、また!
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