こんな お悩みがある方のために、記事を書きました。

量的緩和を行うと“マネタリーベース”や“マネーストック”という聞きなれない用語がでてきます。この違いについて解説しました。
2013年に黒田日銀による、大規模金融緩和がおこなわれました。
この時によく耳にした、“マネタリーベース”や“マネーストック”(マネーサプライ)という用語はご存じですか?
お金のことを表した似たような言葉です。
では、この2つの言葉の違いはというと
お金を供給する銀行と供給している箇所が異なるところです。
用語の解説
世の中に存在するお金の総量の事(日銀が供給するお金の総額)。日銀が、国債を大量購入することで増加する。
民間銀行が、社会に供給するお金の量。
マネタリーベース
マネタリーベースは式で表すと
「日銀券発行高 + 貨幣流通量 + 日銀当座預金」
となり、これが世の中に存在するお金の総量です。
各項目をかみ砕いて表すと
- 日銀券発行高:お札
- 貨幣流通量:硬貨
- 日銀当座預金:民間銀行が日銀に預けているお金
量的緩和の際はこのお金の総量を増やすことを指します。日銀はお金を大量に刷って「お金の総量」を増やすことができます。
マネタリーベースデータはこちらから 日銀ホームページ
マネーストック(マネーサプライ)
マネーストックは「民間銀行から社会への供給しているお金の量」となります。
そのため、増えれば景気は良くなります。
日本ではマネーストックを4つの指標に分けられています。
ここでは詳しくは書きませんが「M2」が確認すべき指標となります。
マネーサプライという言葉も聞くと思います。
これはマネーストックの旧称となります。
金融商品の多様化に伴い、2008年に名称がマネーストックに変わりました。
細かく言うと若干対象が変わっております。
日銀の金融政策
日本は長期にわたるデフレ下で政策金利がゼロを続けておりました。
2013年に大規模な量的緩和が行い、デフレ脱却を試みました。
この金融緩和で当時約130兆円だったマネタリーベースは2015年には倍となり、現在は約650兆円で、GDP比で90%以上になりました。
そして、マネタリーベースは現在進行形で増加しています。
しかしながら、目標とする物価上昇率2%を達成することは出来ませんでした。
これまで、マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えると考えられていました。
しかし、日本のように異次元な量的緩和を行っても、物価は上昇せず、マネーストックの増加率上昇とならない事を逆に証明してしまいました。

まとめ
ザックリ説明すると
マネーストックとは、
「マネタリーベース - 国や金融機関が所有するお金」です。
マネタリーベースは
「日銀が供給するお金の総量」です。
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具体的にFRBで行われている量的緩和はこちら
マネーサプライ(マネーストック)についての詳細を解説しています。