こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

MBSってなに??売りオペしたらどうなるの?という疑問がある方のために記事を書きました。
2.17の未明(4:00)に公開された、FOMC議事録の中に『MBS』を売りオペレーションについて記載がありました。
今回はMBSについてと売りオペレーションが始まったらどうなるかについて推察します。
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FOMC議事録の振り返り
大きなサプライズがありませんでした。
- 政策金利について
現在、物価上昇が定着し、雇用が強いため前回宣言通り、3月に利上げ実施。 - インフレについて
年間を通じて和らいでいくと予想。鈍化しなければ、利上げペース加速の用意もあり - 資産縮小(QT)について
市場が予測できる方法で急激なB/S縮小とならないように、『長期的』にB/S縮小させる
現在のFRBのB/Sは大きすぎるため、2018年より大きく削減する。MBSの売りオペの文言あり
FRB理事7名+地区連銀総裁5名が議決権を持っている会合のことで、詳しくはこちらに記載しました。
FOMCの議事録はこちらです。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcminutes20220126.pdf
- 利上げについて
3月利上げ実施(利上げ幅の文言無し) - インフレについて
インフレが鈍化しなければ、利上げ加速の用意あり - QTについて
資産縮小(QT)は利上げ後に開始。MBS売りオペについて記載。
MBSとは
Mortgage Backed Securityの頭文字で、『不動産担保証券』や『住宅ローン担保証券』と言われ、住宅ローンの元本や利子の返済資金を裏付けとして発行された証券の事です。
住宅ローンの債権をまとめ、投資家に販売するようにしたものがMBSで、住居の支払いが保証されているため信用力の高い債権とされています。
リーマンショック
余談となりますが、リーマンショックではサブプライムローン問題を発端にしてMBS価格は暴落しました。この暴落でFRBは月に$40 BilのMBS買いオペを行っています。
FRBのスタンスと住宅費
FRBがインフレで注目しているのが、“賃金”と“住宅費”になります。なぜ、住宅費に注目しているのかと言うと、家計に占める住宅費が日本と比べて大きいからです。
インフレの主要因は住宅費
米国では家計に占める住居費が1/3と生活費で一番負担が大きいです。米国のお財布事情は住宅費が低減する事により、財布の紐が緩みます。財布の紐が緩めば、そのお金が回りだしますので、景気が良くなります。しかし、インフレで住宅費が上がると社会全体に使用できるお金が減ってしまいます。
2022.2には、住宅費が11月に前年同月比で18.8%上昇し、現在の住宅用30年ローン金利が4%となっていますので、住宅ローンを組んだことがある方は如何に負担が大きいか分かると思います。
売りオペと期待できる効果
売りオペとは?
売りオペとは、買いオペレーションの逆で中央銀行が所有ししている債権を売却する事で、市場にあるお金を中央銀行に帰って来る事になります。
具体的には、債券には償還期限(満期日)が決まっており、FRBは満期日が来るたびに再購入して市場へ出すマネーストックを一定としていました。
しかし、量的引き締め(QT)では、満期となった債券は段階的に償還していくことで徐々にお金を市場から回収していきます。
売りオペするとどうなるか?
過去にFRBで量的引き締めが行われた、2014年には『MBSの売りオペ』は行われていない措置となります。
では、売りオペでFRBはどのような効果を期待しているのか推察していみます。
FRBはインフレと対決しています。MBSを売ることで、MBSの供給が増えます。すると、債券価格は下落すると推察できるため、投資家に購入してもらうために利回りが上がります。
すると、この利回りは住宅ローンの金利へ転嫁しますので、住宅ローン金利が上がることに繋がります。住宅ローン金利が上昇すると、不動産の買い手は高金利による借り入れに躊躇して、住宅の取得をあきらめてしまいます。すると、住宅建築や購入の需要が収まってくるので、需要と供給のバランスから住宅価格も低下が期待できます。『住宅価格の下落』つまり、インフレ抑制成功となります。
まとめ
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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