こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

なぜ、上場後に株価が下落し低迷してしまうのか?という疑問をお持ちの方に向けて記事を書きました。
インデックス投資と個別株投資の大きな違いは、分散投資が簡単に出来ない事です。これは大きなリスクを背負っています。そのため、購入した企業が最悪上場廃止となってしまわないか確認が必要不可欠になります。
そもそも、上場ゴールなどの株価が上昇しない企業は困らないのか?ということや、企業が“上場を利用して儲ける仕組み”について解説します。
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上場ゴールの仕組み

上場ゴールとは、新規上場した時の株価が一番高く、その後、株価が低迷して、そのまま企業が売却される。もしくは清算されることを言います。
上場ゴールとなる企業の多くは、元々業績の悪い企業です。
そもそも、財務諸表の悪い企業を経営陣はなぜ上場させるのかというと、『資金調達方法が上場のみ』しかないという企業があるからです。
企業は外部から資金調達することで、企業の成長率を高める努力を行っています。
この資金調達先が大きく2つあります。一つは銀行からの融資によって資金を得る方法(債務)もう一つは、資本の提供(株式)です。
資金調達先
大企業であれば『社債』という方法で、個人投資家の方からもお金を借りることができます。しかしながら、その他大多数の企業、特にスタートアップ企業であれば『社債』発行の手段は閉ざされています。そうであれば、残るは銀行からの融資という選択肢しかありません。
企業が銀行から融資を受ける時には当然貸す側の企業が貸付した資金を返せる能力があるか判断して、返せる見込みがある場合のみ融資が実行されます。
しかし、債務超過であるなど、財務状態が思わしくない場合は融資がかないません。そういう企業でも、お金を手に入れる方法があります。それが上場(IPO)です。
上場のメリット
上場で資金調達する大きなメリットは債務と異なり、返さなくて良いお金が手に入ることです。
債務は平たく言うと『借金』となるため返済の必要があります。一方、株式から得られる資本は”企業価値の向上”や”配当金”により出資者へリターンを提供していくため“原則返済の必要がないお金”となります。
この事を逆に考えると、事業継続のためのリスクを株主に負わせて、企業運営する事も出来てしまいます。
儲かるための仕組みが上場

もっと悪質なケースとなると、初めから事業を黒字運営させようとはせず、一部の富豪が私腹を肥やすための上場も存在します。その方法はこちらです。
- step1未公開株の売却
富裕層が出資をして上場前の非公開株を買う
- step2上場時に普通株に変える
未公開株を普通株に変える
- step3市場で売却
新規上場で株価が上昇している中、市場で売却する(株を購入した投資家が被害者となる)
新規上場をIPOと言い、上場後に株価が下落してその後上昇しない企業が実際に複数社います。
SPAC上場
2021年には正規の上場ではなく、SPAC〔1〕という上場方法が流行ったため、上場の審査すらスキップして実質上場が頻繫に行われました。
SPACとは”スパック”と呼ばれ、Special Purpose Acquisition Companyの頭文字を取ったものです。『特別買収目的会社』と訳され、仕組みとしては、ペーパーカンパニーを上場させ、その企業が未公開会社の買収を行い、実質的に上場させる仕組みです。これを利用することで、IPOにかける手続きが簡素で上場までの期間が短くてすみます。
富裕層は上場後に売り抜けて、大きな利益をもたらしますが、上場後のトレンドに任せて買付した個人投資家はその後の下落で大損となります。
未公開株の購入

未公開株は文字通り上場されていないため、通常は購入できません。
未公開株を手に入れる2つの方法
【1つ目の方法】
先述したように、未公開株は通常購入する事はできません。これを行う方法としては、既に株を保有している創業者などの経営陣から交渉して譲渡してもらうしかありません。
これが意味するところは、強固な人脈があって交渉のスタートラインに立てることになります。
こうしたコネを持つ方たちは、富裕層となります。
【2つ目の方法】
その他のパターンとしては、従業員として貰う方法です。
スタートアップ企業などの場合、社員へのモチベーション向上のために株式を渡すことがあります。
なぜ、モチベーション向上に繋がるのかと言うと、上場すると自身の保有する資産が莫大に増えるからです。
未公開株の譲渡は、経営側からしてもコスト低減効果があり、それでいて社員の働く意欲が高まる事からWin-Winの効果があります。
未公開株転換の意味
結局、未公開株を手に入れることが出来るのが富裕層しかいません。そのため、未公開株の転換が行われるという事は富裕層が普通株にして売っていると考えることもできます。
全ての企業が今回説明する、個人投資家にとって癌となる企業ではありません。しかしながら、中にはそのような企業があるということを知っておけば、IPO株のリスクを認識できたかと思います。
では、次回の記事で具体的に財務諸表で未公開株の転換をどこで確認できるか解説します。
IPO企業の実態
IPO(新規上場)企業は、そのほとんどの企業が赤字です。
社会のために本気で事業を行おうとしている企業か、儲ける仕組みのために投資家に受けるビジネス内容にしている企業であるかは、判断がつきません。
いずれにしても上場してから間もない企業はボラティリティが激しいため短期売買目的の投資家がいます。
リスクが大きい事を十分に理解して投資するのが投資家のスタンスとなります。
まとめ
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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