こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

積立投資を行っている方や”積立”と”一括”で迷っている方へ向けて記事を書きました。
積立投資が分散の一つの方法として、“時間分散”というリスク回避の方法として知られている一方、積立投資のデメリットを知って、一括投資を推奨している方もいます。
私は万人におすすめできる投資は積立としており、実際に投資手法として私自身が行っています。今回は米国指数へ投資するのを前提として、積立投資で取り上げられるデメリットと、そのデメリットに足りない考えについて解説します。
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理論的に有利なのは一括投資

過去のパフォーマンスを証左に米国株式指数に一括投資を選択するのが“理論的に”優れたリターンが見込めます。20年間の超長期投資で見ると米国株式指数の期待利回りが約6.2%と言われています。
しかし、一括投資は含み損が生じる可能性が大きいくなります。投資経験が浅いと、新聞やnewsで暴落の記事を見た後に、自分の資産がどうなっているか気になり見てみると “▲数百万 損失” という資産を見て慌てて売却に走る可能性が高くなります。
ここで言いたいのが、一括投資に適している方は投資経験がありリスク許容度を理解している方のみで、それ以外の方は積立投資をすべきであるという事です。
一括投資と積立投資のメリット
こちらはバンガード社の見解になります。
一括投資 | 積立投資 |
・市場へ早く資産運用できる |
・大幅下落のリスクを最小限に抑える
|
・歴史的に株式は現金や債券よりも 高いリターンを示している。 |
・市場の自然な変動を利用し、
株式の平均取得単価を抑えられる |
・市場が上昇する時、早く投資をし ていた方が市場の成長を享受できる |
・投資後市場が低迷した場合、
精神的な後悔が避けられる |
積立投資のデメリット

積立投資で良く言われるデメリットは”超長期運用”と”積立投資終盤”についてです。
超長期間の運用では一括投資が勝る
確かに、15年以上株式市場に居続ける事が出来るのであれば、過去200年を振り返ると米国株式から得られるリターンがマイナスにならない事が判明しています。しかし、この理論には『人間の感情』や『投資経験』が考慮されていません。
積立投資の終盤は一括投資と同じ
購入積立購入を数年間に渡り行うと、月々の積立額が資産に及ぼす影響が限定的になります。
具体的には、毎月5万円ずつ投資に廻すと、投資を始めて初期にはドルコスト平均法〔1〕で一株当たりの取得単価に大きく影響していきます。しかし、10年後には元金600万に対して1%に満たない金額で買付をしても取得単価を下げる事が期待できません。
そのことから、初めから大きな額を投資しておけば良かったと言われてしまいます。
〔1〕:価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、時間を分散して定期的に買い付けする手法です
経験と感情変化

【投資経験】
“一括投資”は初めから、大きなリスクを取っている事となりますので、ドラクエで言うと「こん棒」で「デスピサロ」と戦う事と同じです。
まずは、積立投資を行い『リスク許容度』『高値掴みを避ける』『相場に慣れる』事を実体験を通じて学ぶことが必要となります。
【感情変化】
人の脳は損失を抱えた時の精神的苦痛を大きく感じるように作られています。そのため、含み損が生じる可能性が大きい“一括投資”は市場から退場する可能性を高めているのに他ならないです。
株価暴落における、積立投資したケースと一括投資したケースでの資産価格を表します。下のキャプチャーを見ると、一括投資を行った場合には資産価格が大きく減っていますが、積立投資を行っている場合には、資産価格が減っていません。

あなたはどうでしょうか?自分が汗水流して働いて稼いだお金が、数ヶ月で減ってしまいます。これに耐えられるでしょうか??実際に米国株の下落率に円高が重なると50%の暴落も想定する必要があります。
投資初心者が”一括投資”における大きな含み損に耐えられる肝の据わった方は中々いません。そのため、投資初心者は積立投資を行う時間で上がり下がりする相場に慣れることが期待できるからです。
未来の株価は誰にも分からない

現在の株価が“割高”や“割安”の判断はどこから来るものでしょうか?これは過去の株価をベースとして現在の株価を判断しています。しかし、将来の株価は現在と比べてはたして安い?高い?誰にも判断する事ができません。
以前のファンダメンタルズ分析の否定について記述したように、金融のプロたちでさえ、たった1年先の見通しが出来ない中、未来の株価は誰にも予測がつきません。
その点、積立投資では現在の価格が関係なしに投資を継続する方法で、例え現在が割安だとしても、今後数十年にわたる”平均のリターン”を稼いでくれることは間違いないでしょう。
一括投資は上昇する事が断言できるのであれば、有効となりますが、平時やベアマーケットでない限り、やや難しいです。2022.3以降は米国指数もベアマーケット入り(直近高値より▲20%)となっているため、一括投資可能な範囲になってきました。しかし、投資経験が少ない方が実際に一括で手持ちの投資資金全てを投入できるか?というと難しいと思います。
その理由は、購入後に『即時含み損を抱える』からです。そして、株価は「どこまで下落していくのかが分からない」からです。そのため、ベアマーケット時に現実的に行われる投資行動としては、“一括投資可能な余裕資金を複数分割して購入していく”ことになります。言い換えれば積立金額の増額となります。
まとめ
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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