こんな悩みがある方のために、記事を書きました。

ダリオ氏が紹介する「黄金のポートフォリオ」のリバランスが面倒という方のために記事を書きました。
コロナショックを受け、暴落時に耐性があるポートフォリオとして、「黄金のポートフォリオ」が注目されています。このポートフォリオは、世界一有名なヘッジファンドを創設したレイダリオが個人投資家向けにレバレッジ無しで、オールシーズンズ戦略を目指した場合として紹介しています。
オール・シーズンズ戦略
「レイ・ダリオの黄金のポートフォリオ」について

こちらのPFの詳細については、下に解説した記事を貼っておきます。
このPFの難点は、投資をする事自体が面倒な方は不向きとなる事です。投資信託やETFのように自動的にリバランスをしてくれて、自分は毎月積立投資するスタンスで行きたい方にとっては不向きとなります。
そして、リターンがそれほど多くないから、メンテナンスに掛ける時間を極力なくしたいという合理的な方もいらっしゃると思います。
もし、レイダリオ氏のブリッジウォーター社にと同じような運用を目指す、投資信託やETFがあれば、何も考えずに積立投資を行えば済みます。
では、そんな要望に応えたETFを紹介しましょう。
その名は『RPAR』です。
今回は、
1.”RPAR”とは
2.RPAR構成銘柄
3.投資方法
以上3つに分けて解説します。
“RPAR”とは
RPARは株式リスクを避け、安定的なリターンを求めるETFとなります。
EVOKE-ARISが運用を行い、同社の共同創立者であるDamien Bisserier氏は元ブリッジウォーター社のヘッジファンドマネージャーです。
ブリッジウォーター社は「黄金のポートフォリオ」で知られるレイ・ダリオ氏が創立した会社となり、暴落時の耐性に強いと評判があります。この会社の中核にいた方のETFとなります。
RPARの詳細
RPAR(2021.9.3) |
|
運用会社 | Evoke – ARIS |
方針 | Advanced Research Risk Parity Index |
設定日 | 2019年12月12日 |
分類 | インデックス投資(債権レバレッジ込) |
配当金利回り | 1.15% |
取引通貨 | USドル |
資産総額 | $1442Mil(1586.2億円 11ドル/円) |
経費率 | 0.51% |
構成銘柄数 | 株式(80銘柄)+コモディティと債権レバレッジ |
ETFが出来てから、2年弱しか経っていませんが、インデックス投資として、経費率は高めですが、資産額が1 Bilを超える人気なETFとなります。
経費率について
経費率の高さは債権に対してレバレッジをかける運用も行うため、妥当な水準だと考えています。
ちなみに、2022.3.31までの措置として、経費率0.54%から0.03%を引いてくれています。前回は2021.2.28までの措置が延長しているため、次回も延長されることが想定できます。
RPAR構成銘柄

2021.8.31時点のアセットアロケーションです。100%を超えておりますが、間違いではありません。これは、債権部分のTIPS、Treasuriesに40%のレバレッジが掛かっています。そのため、全体として20%のレバレッジが掛かっており、合計が120%となります。
リスクとして、それぞれ 1/4 となるようにアロケーションが組まれます。
出典:yahoo finance(2021.9.8)データより抜粋
構成銘柄(Top 10) | Symbol | % Assets |
Ultra US Treasury Bond Future June 21 | UBM21 | 138.58% |
United States Treasury Bills 0% | N/A | 116.00% |
10 Year Treasury Note Future June 21 | ZNM21 | 99.95% |
Vanguard Total Stock Market ETF | VTI | 74.45% |
SPDR Gold MiniShares | GLDM | 65.56% |
Vanguard FTSE Emerging Markets ETF | VWO | 43.40% |
GraniteShares Gold Trust | BAR | 34.78% |
Vanguard FTSE Developed Markets ETF | VEA | 29.67% |
United States Treasury Bonds 2.13% | N/A | 16.74% |
United States Treasury Bonds 1.38% | N/A | 13.16% |
株式のみのセクター比率(80銘柄)
Sector(s) | RPAR |
素材:Basic Materials | 20.06% |
一般消費財:Consumer Cyclical | 8.08% |
金融:Financial Services | 9.87% |
不動産:Real Estate | 2.15% |
生活必需品:Consumer Defensive | 4.40% |
健康管理:Healthcare | 6.52% |
公益事業:Utilities | 1.87% |
通信サービス:Communication Services | 6.37% |
エネルギー:Energy | 16.37% |
資本財:Industrials | 11.60% |
情報技術:Technology | 12.71% |
コモディティを先物取引でなく、株式で代用しています。
そのため、素材セクターが大きくなっています。
RPARコロナショック時のチャート

コロナショックが起きた時には、全世界株式は30%の暴落となりましたが、RPARの場合は15%の下落に留まっています。そこから、約一ヶ月で回復していますので、暴落耐性が強いと言えます。
逆に、世界が恐怖に包まれてしまうと、どんな資産を持っていたとしても、15%程度は下がる覚悟が必要となるといえそうです。
そして、暴落時に株式を持っていた場合は(リーマンショック後のように)株を持っているのが馬鹿らしく思えてきます。
過去のパフォーマンス

2ヶ年毎のアセット別パフォーマンスとなります。全てのアセットアロケーションを合わせたパフォーマンスは「Equal-Weighted」となります。
2014~2015の▲1%以外は全てプラスのリターンとなり、2021.6.30までの平均リターンは7.9%となります。
着実に資産形成を目指す方や、ドルが生活圏にある人にとっては定期預金感覚で買えそうなETFとなりそうです。
投資方法
現在このETFは日本の3大ネット証券会社では買えません。このETFを取り扱う証券会社がサクソバンク証券です。
サクソバンク証券を開設検討する前に、注意事項を言いますと、サクソバンク証券は”特定口座”がありません。そのため、売買履歴とその際のドルレートを記録する必要があります。(TTS:買付時レート、TTB…売付時レート)
他にも海外の証券会社でもこの『RPAR』を購入できますが、いずれにしても”特定口座”を開設することが出来ず、確定申告も必要となります。
まとめ
- 元ブリッジウォーターのファンドマネージャーが共同創立
- 2000年からのバックテストでマイナスのリターンが1度だけ
- 3大ネット証券で購入することができない
それでは、また!!
関連記事
これから『黄金のポートフォリオ』を組む時の注意事項を解説しています。
ダリオ氏の創設したブリッジウォーターアソシエーツについて解説しました。
“山崎 元”さんが日本版の日本版オールシーズンズ・ポートフォリオと銘打って紹介しています。