こんな疑問を持っている方へ記事を書きました。

EV/EBITDA倍率?EBITDAマルチプルってなに?
と言う方々のために解説しました。
皆さんは”理論株価”ってどうやって出しているか知っていますか?
この”EBITDA”を使って事業価値を表すことが出来ます。EBITDAを使うため、計算は少し複雑になりますが、特別損益の影響を受けない理論株価が求めることができます。
この記事では、
1.EBITDAマルチプルとは
2.EBITDAマルチプルの求め方
3.理論株価の計算式
について解説します。
EBITDAマルチプルとは
“EBITDA”についてはこちらに記載しているので割愛します。
では次に、マルチプルの意味を調べてみると、企業の価値を算出方法の一つとして“マルチプル法”というものがあります。“マルチプル法”をわかりやすく言うと、類似企業の比較する方法となります。
EBITDAは収入の一種なので、各企業により規模が異なります。比較するためには、EBITDAを評価倍率に置き返する必要があります。
このEBITDAを評価倍率に置き換えたものをEBITDAマルチプルと言います。
EBITDAマルチプルは、業種などが類似した企業同士であれば同じになるという理論から成り立っています。倍率を比較することで事業価値が割高か、割安かを評価・判断できます。
また、類似企業の平均倍率から理論株価を算出することもできます。
メリット
- 特別損益の影響を受けない
- キャッシュフローで評価できる
- 複数の事業を同一な視点で比較・評価できる
デメリット
- 計算に手間が掛かる
- EBITDAがマイナスとなる時は計算できない
EBITDAマルチプルの求め方
EV/EBITDA倍率 = EBITDAマルチプル
EV/EBITDA倍率の事を”EBITDAマルチプル”と言います。
【EBITDAマルチプル 計算式】
・EV ÷ EBITDA
EV…(有利子負債額+時価総額)
※EV ≠ 企業価値
EBITDAマルチプルを算出するための値は損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)を確認すれば、それぞれ計算できるようになります。
有利子負債額(Debt)と時価総額(Equity)の合計額を事業価値(Enterprise Value)と呼ばれています。
ここで注意して欲しいのが、EVを直訳すると『企業価値』となりますが、EVは企業価値ではありません。企業価値とするためには、非事業価値を加算する必要があります。非事業価値となるものは、現預金などがあります。
EBITDAは、税金等調整前当期純利益(Earnings Before Taxes)、支払利息(Interest Expense)、減価償却(Depreciation)償却費(Amortization)を加算することで求められます。
理論株価の計算式
求め方を単純に書くと、『株主価値』を算出して、発行株数で割るとなります。
- 同業他社数社のEBITDAマルチプルを求める
- 平均倍率を求める
- 平均倍率から理論的な時価総額(株主価値)を逆算する
- 一株当たりの株価へ換算する
【例】
1.複数社のEBITDAマルチプルを求める。
(1,000憶+1,500憶)÷500憶 = 6倍
※(純有利子負債+時価総額)÷ EBITDA
※ 純有利子負債:(現預金など-有利子負債)
2.平均倍率を求める。
(5倍+6倍+4倍)÷3社 = 5倍
3.平均倍率から理論的な時価総額を逆算する
(500憶+株主価値)÷200憶 = 5倍
※500億:対象企業の純有利子負債
4.一株当たりに換算
500憶 ÷ 1憶株 =500円
注意ポイント
EBITDAマルチプルを算出する時に一番重要なポイントは、同業他社の選択です。同業他社の選択次第で、理論株価は高く出来きます。そのため、買収案件があった際は同業他社が恣意的に選ばれていないかチェックが必要になります。
まとめ
- EBITDAを評価倍率に置き換えたものをEBITDAマルチプル
- PL、BSを確認することで計算に必要な数値を確認できる
- 同業他社の選択が恣意的でないか確認が必要
それでは、また!
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