こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

オプション取引ってなに?と疑問を持っている方へ向けて記事を書きました。
プットオプションのロングは、所有している資産を売却することなく、ヘッジする事が可能です。
そのため、『プレミアム』の費用は発生しますが、『保険』と同じ考えで必要なコストと割り切ることが出来ます。
では、発生するコスト、
つまり、プレミアムの価格はどのようにして決まるのかが気になります。
今回はオプションの取引の際に発生する『プレミアム』(費用)について解説します。
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オプションのプレミアム計算
オプションの価値(儲け)= 本質的価値 + 時間価値
プレミアム(コスト) = 時間価値
この “時間価値”がヘッジするために必要なコストとなります。
オプションの計算式はブラック・ショールズ方程式が用いられます。
式はこちらです。
式を理解するためには、高校レベルの数学知識が必要になるため、日々の業務で疲れた頭には、少し鬱陶しいため、こちらの記事ではあえて式を表示していません。
式で重要となるポイントを抜粋しました。
この中で、プレミアムで不確定要素はボラティリティです。
5つのポイントとプレミアム価格
パラメータ
|
プレミアム価格 | ||
Call | Put | ||
現在価格
|
上昇 | ↑ | ↓ |
下落 | ↓ | ↑ | |
行使価格
|
高い | ↓ | ↑ |
低い | ↑ | ↓ | |
満期期限
|
長い | ↑ | ↑ |
短い | ↓ | ↓ | |
短期利子
|
上昇 | ↑ | ↓ |
低下 | ↓ | ↑ | |
ボラティリティ
|
高い | ↑ | ↑ |
低い | ↓ | ↓ |
各パラメータとプレミアム価格の関係は上の表のようになります。
プレミアム価格の決定要因はイメージで良いので感覚を覚えておけば良いと思います。その理解を助けるために図で解説します。
行使価格と現在価格の関係
【Putの場合】
・行使価格より低い現在価格➡プレミアムは高い
・逆に高ければ➡プレミアムは低い
A株とB株があった場合、他の2要素が同じ(満期期間、ボラティリティ)場合、現在価格が行使価格より低い場合には、満期時に株価が行使価格より下回る(利益大の)可能性が大きくなります。
そのため、プレミアムは高くなります。

満期期間とボラティリティの関係
・同一期間においてボラティリティが高い➡プレミアムは高い
一定の期間の中で、権利行使価格まで到達する可能性が高いのは、ボラティリティが高い銘柄ほど到達する期待が出来ます。そのため、ボラティリティが高い方がプレミアム価格は高くなります。

満期期間の長短について
・満期までの期間が長い➡プレミアムは高い
満期までの残存期間が長ければ、満期時点で行使価格まで到達する可能性が高いため、プレミアム価格は高くなります。
短期利子の価値について
【Putの場合】
・同一期間において金利率が低い方➡プレミアムは高い
割引率〔2〕が金利により変化するため、金利が低くなれば、割引率が低下するため、現時点の理論株価の価値〔3〕が上昇します。
Putの場合は、利益が出る確率が上がるので、プレミアム価格は上昇します。
実際でのマーケットの確認は?
5つも要素がありますが、あらかじめわかる要素が4つあります。
しかし、ボラティリティの動きさえトレースすれば、プレミアム価格を大体推測する事ができます。
ボラティリティについては別の記事で解説します。
緻密なリスク管理
オプションはデリバティブの一種なので、原資産から派生商品となります。
実際には原資産となる物の変化率がそのまま、派生した商品の変化率となる事はありません。
つまり、原資産の変化率に対する、派生商品の変化率が存在します。これをデルタと言います。
さらに、デルタの変動幅も変化しますので、この変化率をガンマとして表します。
他にもプレミアムの変化を予測する指標があります。緻密なリスク管理を必要とする場合はこのような指標を用いて算出します。
名称 | 解説 | 特徴 |
デルタ | 原資産価格の変化に対する プレミアムの変動額 |
OTMであるとデルタの値は小さく、
原産価格とのプレミアムの連動性は低下します。 |
ガンマ | デルタの変動幅を計る指標 |
ATMにおいて最大で、そこから離れるにつれて減少
|
ベガ | インプライドボラティリティの 変化に対するプレミアムの変化 |
ATMにおいて最大で、そこから離れるにつれて減少
|
セータ | 残存時間の変化に対する プレミアムの変化 |
ATMでは残存時間がゼロに近づくに連れて上昇し、
それ以外の状態では減少します。 |
ロー | 短期金利の変化に対する プレミアムの変動額 |
指標の中では影響は低く、
特に残存期間の短いオプションでは影響がない |
ATM:アット・ザ・マネー(At the money)権利行使を行った場合の損益がゼロの状態
OTM:アウト・オブ・ザ・マネー(Out of the money) 権利行使を行った場合の損益がマイナスの状態
まとめ
共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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