こんな悩みがある方のために、記事を書きました。

この記事を読むと、客観的に(世界から)見た日本の信用度が分かります。財政危機が起るかを、ギリシャと日本を比較して考察しました。
2010年から2011年にかけて、ギリシャの財政危機のニュースが世間を賑わせておりましたが、日本もギリシャに引けを取らないほど借金を抱えております。
日本の借金は、2020年度12月末時点で1,212兆4,680億円を超えております。過去に「1,000兆円を超えたらまずい」とか「国民の預金額を超えたらまずい」とか言っておりましたが、いまだ破綻しておりません。
世界の債務残高対GDP比
下の図を見てわかるように、日本は2010年頃からデフォルト危機にあったギリシャを上回る借金大国でした。(2021年~予想)

ギリシャの経済危機はこれまで隠蔽していた、財政赤字が2009年10月の政権交代選挙で、発覚したことが発生点でした。ただし、ギリシャの経済危機が発覚より8年前の1997年からギリシャを抜いて、日本が『政府債務残高(対GDP比)』トップになっていました。
日本は誰から借金しているのか?
“債務者” 日本
“債権者” 国民
〔債権者が「国民」である理由〕
1.銀行預金や保険に加入
2.銀行や保険会社が国債購入
日本の借金が2020年12月末時点で1,212兆4,680億円となり、初めて1200兆円を突破した。同年8月1日時点の日本人の人口(1億2333万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約983万円となります。
では、このお金は誰から借金しているのか?
答えは『国民』です。つまり、私たちが債権者となっているのです。
銀行預金もしくは、加入する保険機構が、私たちから預かったお金で、利益を出すために、国債を購入しています。そのため、間接的になりますが、国民全員が債権者という見方もできます。
話はそれますが、一般的に借金返済するためには
1.収入を増やす
2.支出を抑える
2点の方法が思いつきます。本来、国の場合は異なりますが、この一般的な考え方を利用して収入を“税収”として、緊縮財政を行うロジックもあります。
なぜ日本は破綻しないのか?3つのポイント
- 政府、国民の資産が潤沢
負債額と比べて、資産が大きい - 国債の債権者が殆ど国内機関である。
日銀での所有が殆どのため、返済する必要がない - 国債全てが円で発行されている※重要
自国通貨のため、自国発行で返済可能
1.政府、国民の資産が潤沢
- 政府の金融資産が614兆円もある(2019年3月末)
- 対外純資産が364兆円と世界一(2019年3月末)
- 家計の資産が1,948兆円(2020年12月末)
家計の資産については直接借金返済に繋がりませんが、日本の借金額1,212兆4,680億円に対して資産が政府、家計の合算額で2,926兆円と2倍以上あります。借金以上に資産が潤沢な状態です。
政府の金融資産
政府の金融資産の内訳には、年金給付のために積み立てているお金や、国道や堤防などの国有財産のことです。
こちらの資産は流動性の低い資産ではありますが、ギリシャでは、財政危機の際に、借金返済のためにこの資産も売却しています。
政府の対外純資産
対外資産 = 海外資産 - 海外負債
(海外資産…工場、買収企業、株式、債券)
対外純資産とは、日本(公的+民間)が海外に持っている「正味の資産」のことです。
日本の対外純資産は29年連続世界一の2019年度末時点で364兆円です。(2位ドイツ302兆円)
対外債務総額対GDPにおいては、ギリシャはGDPを超える252%もあるが、日本はGDP未満の91%である。(2019年)
家計の資産
家計の資産とは自営業者を含む家庭の現金、預金、株式、投資信託、保険や年金準備金などの資産の合計のことです。
日本の家計の資産は2020年12月末時点で、1,948兆円あります。これは政府資産の2倍超の金額になります。
2.国債の債権者
- 国民の現金・預金が1,056兆円(2020年12月末)
- 日銀の国債買入れ量が44.71%(2020年12月末)
国民の預金額
家計に占める現金・預金割合は54.2%で1,056兆円あります。ちなみにアメリカは13.7%で11.92兆ドルです。預金は”銀行”にされ、”銀行”は個人や企業への融資で出来なかった預金額で、国債を購入しています。
国債保有者
こちらの図は資金循環統計から抜粋したものです。

半分近く(44.7%)が中央銀行(日銀)が保有しています。
日銀と政府の関係を例えるなら、家庭でいう”夫婦”と似ているものになります。
妻が夫にお金を貸しているのと変わりありません。そのため、家族間で行われているように返済時期も”無期限”で”無利子”とすることも可能です。
3.国債の通貨
- 100% 円貨

日本が財政破綻しない一番の理由は、国債が全て円で発行されているからです。
国債の内、約86.7%が国内、残り約13.4%は海外である全てが円で購入されています。
もし返済が必要になったとしても、通貨(円)は日銀で発行しているため、その気になったら円を発行して返済することが可能です。
ギリシャの場合は、通貨も借金もユーロです。ユーロはギリシャで発行しているわけではないため、日本と同じように、国債返済のために通貨が発行できません。
日本の長期金利
国債が満期を迎えると、購入時に決められた金利分が元本にプラスされ支払われます。国債市場でいくらで取引されても、実際に支払われる金利に変動がありません。つまり、国債市場で需要が増えると、国債が売買される価格が上昇するため、金利が下がる事になります。
このことから、金利が下がることは、”国債に需要がある”ことを表しています。

こちらのグラフは”10年債権利回り”です左の『赤い縦線』は、武村正義大蔵省大臣による『財政破綻宣言』が発表された1995年11月で,金利は約3%です。
右の『赤い縦線』は、日銀の黒田総裁が就任し、黒田総裁による金融緩和が導入された2013年4月です。当時の長期金利は約0.87%から現在の約0.06%とマネタリーベースを増やしても、下がっています。
日本に債務不履行の可能性があるのであれば、国債に買い手がいなくなり、おのずと金利が上昇しますが、日本では状況が異なります。現在は、長期金利で0.1%を割っております。
ギリシャと日本の比較
- ギリシャは対外純債務もGDPを超えていた。
対外債務総額対GDP(2019年)
ギリシャ252%
日本91% - 日本の債務約13%が海外に対し
ギリシャの債務の約80%が海外(欧州中央銀行など) - 日本は通貨債務 100% ギリシャは自国通貨債務は 0%
ギリシャよりもGDP比で債務が大きい日本は、破綻するのではないかと思われたが、ギリシャと比べ日本は異なる状況のため、破綻の可能性は小さいことが分かりました。
まとめ
日本の借金について、資産、通貨を調べれば日本に余裕があることが理解できます。
そして、“金利”が少ないことからも、信頼があることがわかります。
今は国家破綻の可能性は低いですが、国家の破綻の際には3段階あります。
- 国債金利の急騰(国債価格の暴落)
- 『円安』 & 『高インフレ』
- 日本がデフォルト宣言し、IMFの管理下
日本は、1段階目にも入っていません。2段階目の円安、高インフレのパニック時に冷静に対応ができるよう、自分はどう行動するか、決めておきましょう。共に資産を守るために、頑張りましょう!
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