こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

『CWEB』が償還されるのではないかと心配な方へ向けて記事を書きました。
先般から開戦されたウクライナ戦争の影響で、ロシアの2倍ブルである『RUSL』が早期償還されました。他の新興国の2倍ブルETFとして、引き合いに出されているのは中国の『CWEB』です。についても引き合いに出されて、早期償還を懸念するtwitterを目にします。
今回は、中級者向けのETFである『CWEB』の早期償還について考察します。
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
『RUSL』と『CWEB』

ロシアの2倍ブルである『RUSL』が早期償還されました。ロシアについては株式指数から除外され、ロシア株式市場が以前閉鎖が続いていたため、2.5$で償還となりました。
この報道から、CWEBも同じDirectionの利益となるETFであるため、早期償還のリスクが上昇していると感じるCWEBの情報は以下
【RUSL】(償還)
2022.3.3:株価 $2.58
資産額 $17.33 Mil(日本円 約205憶円)
【CWEB】
2022.3.15:株価 $3.87
資産額 約$130 Mil(日本円 約1530億円)
ロシア ETF(RUSL)の早期償還について
今回ロシアの償還については2つの要素があります。それは、『資産額の減少』 と 『投資環境の悪化』です。『資産額の減少』については日本円に換算すると、500憶を下回りますが少なくありません。また、Direction社の資料によると”ファンドの証券が個別に償還されることはありません”と記載がありますので、資産額の減少による償還は否定できます。
https://search.sbisec.co.jp/v3/ex/etf_RUSS_160510.pdf
もう一方の要素は『投資環境の悪化』となります。この要素については米国市場で取引する事になる”RUSL”には米国の道理が通じます。米国はウクライナへ侵攻するロシアに対して厳しい経済制裁を課しています。この経済制裁を簡潔に言うと『ルーブルを紙クズ化作戦』です。この制裁の序盤にロシアの対外投資ファンドをパージしました。この煽りを受けたDirection社の”RUSL”が早期償還に至ったものと見ています。
CWEBについて
CWEB(2022.3.18) |
|
運用会社 | Direxion社(ディレクション社) |
方針 | CSI海外中国インターネット指数株の2倍程度の値動き |
設定日 | 2016年11月2日 |
分類 | 新興国株式型インデックス ブル型 |
配当金利回り | 0% |
取引通貨 | USドル |
資産総額 | $336.938Mil(370.63億円 110ドル/円) |
信託報酬 | 0.95% |
構成銘柄数 | 51 |
➡中国を拠点とするインタネット起業を集めた指数
指数の組み入れ条件。以下のどれかに該当する必要あります。
- 本社が中国にある
- 会社が中国で設立している
- 収益の50%以上が中国本土
CWEBチャート
DirexionのETF
CWEBやRUSLは資産の規模が異なります。下の表はDirexionで稼ぎ頭のETFとなります。
資産総額 (2022.3.18) |
ティッカー | |||
1 | $ 5,165 Mil | SOXL | 半導体株 + 3倍 |
ICEセミコンダクター・セクター指数の300%のパフォーマンスに連動する投資成果を目指している。
|
2 | $ 3,196 Mil | SPXL | S&P500+3倍 |
S&P500インデックスの300%のパフォーマンスに連動した成果を目指す。
|
3 | $ 2,514 Mil | TECL | テクノロジー株 + 3倍 |
テクノロジー・セレクト・セクター指数の運用実績の300%の投資成果を目指し運用する。
|
4 | $ 279 Mil | CWEB | CSI中国インターネット指数株 + 2倍 |
CSIオーバーシーズ・チャイナ・インターネット指数の日々のパフォーマンスの200%の投資成果を目指し運用する。
|
5 | $ 424 Mil | SPXS | S&P500▲3倍 |
S&P500インデックスの値動きの反対方向の300%のパフォーマンスに連動した成果を目指す。
|
6 | $ 154 Mil | WEBL | ダウ・ジョーンズ・インターネット +3 倍 |
ダウ・ジョーンズ・インター ネット・コンポジット指数の3倍の投資成果を目指し運用する。
|
7 | $ 3,134 Mil | FAS | 米国金融株+3倍 |
ラッセル1000金融株指数の300%のパフォーマンスに連動した成果を目指す。
|
8 | $ 242 Mil | CURE | ヘルスケア株 +3倍 |
S&P®ヘルスケア セレクト セクター インデックスの300%のパフォーマンスに連動した成果を目指す。
|
9 | $ 393 Mil | TMV | 20年超米国債▲3倍 |
NYSE 20年米国債指数の値動きの反対方向の300%のパフォーマンスに連動した成果を目指す。
|
10 | $ 83 Mil | TECS | テクノロジー株 ▲ 3倍 |
テクノロジー・セレクト・セクター指数の日次運用実績の逆数の300%に連動する投資成果を目指し運用する。
|
同社は日本で41本のETFを登録しており、レバレッジやインバース型〔1〕のETFを扱う企業として有名です。Direxionの代名詞となっている”ブルベア型ETF”は経費率が1%前後とメジャーな1倍インデックス投資と比較して大きいです。
CWEB償還の可能性
【投資会社】
上の表のETFは資産額の大きいETF、つまり、稼ぎ頭のETFです。この中にあるCWEBは同社の判断で早期償還となる事はありません。
あくまで、私見となりますが、現資産額の4分の1となったとしても償還されることは無いと考えています。その理由は、“SPXS”(S&P500の3倍ベア)が償還されず、『株式併合』措置が取られていたからです。資産額が大きいETFの場合は、会社して償還すると売り上げが減るため、残しておきたいのが本音です。
ちなみに、CWEBの場合、株価が下落して1$〜3$付近になると『株式併合』〔2〕措置が取られる可能性が高いです。CWEBも2020.12.4に株式併合された“SPXS”と資産額が同規模なため、同じ措置がとられると推察できます。
2022.5.31 clause後に株式併合されます。その比率は(20:1)です。
【資産額の増加】
そもそも、CWEBは暴落中なのにもかかわらず、資産額が増加していますので、償還されることはありえません。
2021.9.1には$212.679 Milであった資産額が2022.3.$336.938 Milとなりました。
では、それでも早期償還に至るとした場合はロシアの”RUSL”と同様にして、外部要因から償還となる可能性しかありません。
〔1〕:インバース(Inverse) は「逆の、反対の」という意味となります。 インバース型上場投資信託が連動を目指す指標は、指標の日々の騰落率のマイナスX倍となるよう計算された指標です。
〔2〕:株式併合とは既に発行されている株式数を減らすために、複数の株式を1株に統合することを指します。例えば、1:5であれば、20株が4株となり株価が5倍となります。
CWEBの外部要因
米国と中国が衝突
核保有国 vs 米国の戦争は今のところ起きていませんし、武力の衝突が起きることは考えられません。現実的なところは、経済制裁で中国を締め付けるという事が考えられます。経済制裁を行うとしたら、中国へ投資対象とする投資対象がパージされる事が考えられます。
米国証券取引委員会の影響
CWEBの投資対象はADRとなっています。(Bloomberg より)そのため、定期的な決算開示をもとめている当局の指示に逆らえば、米国市場から上場廃止も否定できません。
中国のロシア支援
今、一番可能性が高い事柄となります。中国によるロシア支援で、米国経済制裁が中国市場に及ぶ可能性も示唆されており、ロシア苦戦の戦況が伝わると、中国当局のIT企業への締め付けで、ただでさえ中国株が下落しているところへ、今回の政治的な動きにより中国株の下落に拍車がかかっています。
償還するとこうなる
ETFが早期償還されると、終了した株式価格で確定されます。つまり、0$となる事はありません。
まとめ
記事が、タメになったと思われたら、“SNS” や “リンク” で紹介して頂けると今後の励みになります。
共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
関連記事
中国不動産業界のショックが中国の経済危機となるか検証しています。
CXSEについて解説しています。
中国のEV企業である(XPEV)について解説します。
中国IT企業へ2倍レバレッジで投資できる(CWEB)について解説します。