こんな疑問がある方のために、記事を書きました。

WTI(原油)と株式にどういう関係があるの?と疑問を持っている方へ向けて記事を書きました。
原油が急騰して、WTI原油では7年ぶりの高値(90ドル台)となりました。
今回は、原油高騰が株価にどう影響するのか?そして、なぜ、今原油が上がっているのか?について解説します。
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原油が急騰している理由
天候不順による生産量減少
北米を襲っている寒波により供給への影響が懸念されています。停電から始まった大寒波が原油生産を停止に追い込みました。生産停止量は米国原油生産の約40%である日量400万バレルとなります。
ウクライナ情勢悪化
現在、ロシアがウクライナに進行するのではないかと言う懸念が広がり、原油高やコモディティ価格の高騰が起きています。
OPECの増産に黄色信号
3月についても、1日あたり40万バレルの増産の維持決定するも、生産能力に疑問点が出始めました。
これは、無人機や武装組織による妨害で、1月のOPEC13ヶ国の供給量が5万バレルの増加に留まりました。このため、増産計画が予定通り実施されるか疑問視されています。
原油高による経済悪化論
原油高が起こるとまず、原価高騰による企業の業績圧迫が起こります。ガソリンスタンドのような価格転嫁が受け入れやすい事業についてのみ価格上昇が起きます。
この原油高が常態化してしまうと、企業はいよいよ耐えきれなくなって、様々な商品の価格転嫁が起こります。一定程度の価格上昇は消費者マインドに影響は与えませんが、価格転嫁が一定以上進むと、日常生活に必要のない物から、消費の減速が起こります。
とりわけ、石油製品は様々な商品に使われていますので、様々な企業の業績悪化につながる原因を引き起こしかねません。
- 石油、石炭製品
- 繊維製品
- 化学製品
- パルプ・紙・木製品
- 飲食料品
(影響が大きい物の昇降順)
ニッセイ基礎研究所より
原油先物とS&P500
しかし、本当にそうでしょうか?
こちらは、WTI(北米原油先物)とSPY(S&P500)のチャートと相関図になります。

全体として相関、非相関が繰り返されています。これは、“原油高”と”株の値動き”に相関性が無いという事になります。仮に関係性を見つけようとすると、限定した要件のみに関係性を見出す事が出来ます。
白い網掛け部分を見ますと、ある大きな株価の下落が起きてから、立ち直るまで原油と株価にはやや相関がありそうです。
一般的に言われているのが、経済の減速が生じると原油の需要減少の観測が起こり原油先物価格が下落します。その理由は、消費が落ち込むことから、それを見込んだ企業が生産量の減少を行うことになり、原油需要の減少と推察されるからです。
下落が一段落した後、原油価格に合わせて株価も上昇していきますが、これは経済が原油価格上昇によるコスト増を上回る需要増があるからとされています。
ただし、行き過ぎた原油高は株価下落となるため、非相関状態となります。なぜなら、原油は様々な製品に使われているため、物価を上げる要因となります。そのため、原油価格が高止まりすると、FRBの金融引き締めを加速させるトリガーとなり、それを嫌気した投資家が利益確定を行うため、株価の変動が激しくなります。
まとめ
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