疑問がある方のために、記事を書きました。

BNPLってなに?BNPLって何がすごいの?という方のために記事を書きました。
BNPLとはクレジットカード以外の方法で分割払いをするサービスです。
2021.8.27にAmazon(AMZN)がAffirm(AFRM)と提携して、数ヶ月中に”BNPL”を開始すると発表しました。これを受けてAFRMの株は一時40%を超える急伸を見せました。
単純に「後払い」と聞いたら、

よくわからん”BNPL”使うより、クレカを使えばいいのでは?
と思ってしまいます。後払いが分割で行える支払い方法は、クレジットカードと同じとなりますが、クレカ以上に消費者メリットがあり、世界で利用者が増えてきています。
“BNPL”とは
Buy Now Pay Laterの頭文字で、意味は直訳そのままで、「今買って後で支払う」です
支払日を設定可能
2020からのコロナ禍も相まって、eコマース需要が高まりました。そこでこれまで、eコマースを利用して無い方が、ネットを通じて商品を購入する機会が出てきました。
ネットで商品を購入時に抵抗を抱いてしまうのが、商品が手元にない状態でお金を支払うことです。BNPLは支払う日を設定できるため、商品の支払日を繰り延べすることで商品が届いてから支払うことが可能となり、この悩みを消してくれます。
このように、BNPLは消費者が料金支払い日を無料で決めることができます。
Electronic Commerceow という言葉に由来する造語でECとも言われます。和訳すると「電子商取引」となり、予約、チケット購入、保険の申し込みなど、さまざまなサービスがオンラインで提供されることです。
消費者のメリット
与信審査が簡単で、これまでクレジットカードが作れないような方でも”後払い”が可能です。
与信審査が簡単なのは、カード作成前に信用力を測るのではなく、BNPLにおける使用時(分割払い履歴)が消費者の信用を後付けしていくシステムとなっているからです。
BNPLでは一定の手数料を支払いすれば、設定された支払額の上限を超えず、支払い遅延、繰り上げ返済のペナルティが発生することがありませんので、クレジットカードのように複利で雪だるま式に返済額が大きくなることもありません。
- 与信審査が簡単で誰でも直ぐに使える
- 分割払い手数料が無料
- 支払い遅延、繰り上げ返済で隠れフィーがない
利益がどこから生まれるのか?
消費者が手数料無料で使用できるのは、「売り手」が負担しているからです。売り手が商品を割引して販売するより、手数料を払ってでも値引きせずに商品を買ってもらった方が、値引きコストが減少しますし、ブランド品であれば、イメージを毀損しなくて済みます。
クレジットカードとの比較
クレジットカードは使用すると便利ですが、カードを落としてしまうと悪用されるリスクがある「物」になります。そして、クレジットカードのシステムは旧態依然としています。
使用までを簡便化
クレジットカードは作成時に手間が掛かります。クレジットカードは社名、年齢、性別や年収などのデータから信用力を測り、カードが作成され、手元にカードが届いてから支払いに使えます。一方、BNPL(klarnaの場合)であれば、メールアドレスと郵便番号の入力だけで直ちに与信審査が行われ、直ぐに分割払いを使う事が可能です。
スウェーデン発のスタートアップ企業。クレジットカード番号やパスワードを入力することなく、即時に使用可能。klarnaの概要
“分割払い”が無料
BNPLの最大の特徴であるのが、分割払いが無料で出来ることになります。
各社により無料で分割払いが出来る回数は違うものの、その回数はクレジットカードの2回より多いことが特徴です。例えば、 “klarna” や “Affirm” では3回の分割払いまで手数料無料で使えます。
さらに、支払い日についても消費者側に選択肢があります。例えば、30日以内に返済を選択したら、返済日は消費者の給与日に設定することが出来ます。他にも、オーストラリアの “Afterpay” は4回払いを2週間に1度支払することが出来ます。これはオーストラリアの給与支給が2週間に一度という金銭事情に対応してのことでしょう。
クレカとBNPLの併用
賢い消費者はクレジットカードとBNPLを併用することで、決済の繰り延べが無料で2ヶ月間出来るようになります。
クレジットカードは“一括払い”ないし、”2回払い”まで手数料無料とする支払方法があります。クレジットカードの支払いをBNPLで決済して、その後BNPLでの手数料無料期間である“30日後”に支払いとすると、約2ヶ月間支払期日を栗伸ばすことが出来るのです。
市場と将来予測
BNPLは、まだまだ成長中の事業であり、銀行のように自己資本規制がありません。そのため、需要に応じて急成長できます。
懸念事項
消費者に便益がありますが、消費者自身が使い方を誤ればヤケドします。消費者が大量に破綻してしまうと、ヤケドするのは消費者だけでなく、証券を購入した投資銀行も被害を被ることがあります。
二番煎じの支払い
BNPLはその性質上、クレジット払いの与信枠使いきった方が、更に商品を買う際の手段として使われる可能性が高い。
そして、未成年者や信用調査に通ることが出来ず、クレジットカードを作れない方が、BNPLを多用することが想像できます。
借金認識の希薄化
分割払いに対して、手数料が発生しないことで、分割払いで予算以上の買い物をする方が増えることが予想できます。
分割払いになるほど、収支の管理が複雑になります。分割払いを多用してしまうと、分割払いを繰り返さないと生活が出来なくなったり、分割払いが当たり前となり、借金の重みが希薄化します。
これまではクレジットカードで与信枠で、強制的に多重債務とならない仕組みが一定に機能していましたが、与信枠を超えてお金を使う事が出来るため、最悪の場合、消費者の支払い能力を超える事が考えられます。
リーマンショック時と酷似した金融商品
BNPLを提供する“企業”や”売り手”に消費者の支払い遅延などのリスクを負わない仕組みもつくられています。
具体的には、BNPLをまとめて証券化し、その証券を販売することで、信用リスクを投資家へ負わせるわけです。
これは、サブプライムローンと同じスキームとなります。
仮に、過去の不動産のように不良債権化が大量に発生すると、BNPLの金利コスト上昇と言う形で消費者へ転嫁されます。そして、証券を大量に買い込んだ投資銀行が窮地に立たされ、リーマンショック級の暴落が起きる可能性もあります。
将来予想
未成熟の分野は、リスクが大きくなる傾向があり、それに見合った成長が期待できるのが魅力です。
市場規模
ネット通販に占めるBNPL比率は2%でまだまだ市場に浸透しきれていません。しかし、前年比で130%成長しており、将来的に$600 Bilへ成長すると言われています。
逆に、BNPLが浸透することで逆風を受ける企業もあります。それは銀行です。
理由は消費者が購入する額は増加しにくいため、パイには上限があります。そのパイの中で、クレジット決済として、得ていた利益が、一部 BNPL へかわるため、クレジット決済高が減ることで、利益が減ってしまう事が予想できます。
イノベーティブな支払いシステム
クレジットカードは古くからシステムが変わらず、新しいサービスがありません。
一方、BNPLはクラウド上に誰でも利用可能なシステムを構築しているため、各企業のデータと合わせることで、新しいサービスを創ることが出来ます。
まとめ
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共に学んで豊かになりましょう!それでは、また!!
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