こんな悩みがある方のために、記事を書きました。

株とか資産運用で、暴落に精神が保てるのか心配…
そんな方のために、リーマンショック年に+3.2%をたたき出したポートフォリオをご紹介します。
コツコツと貯めた、貯蓄を投資へ回してます「ぜんきち」です。
株を投資した最初のころは自分が買付した株価付近で推移すると、どうしても気になってしまいます。更に、含み損が大きくなるに従い精神的にやられます。
この含み損がいくらまで耐えられますでしょうか?
50%?30%? ちなみに50%であれば、1,000万円の資産で500万円に漸減してしまいます。この含み損が3%(年換算)になるって聞いたらどうでしょうか?リーマンショック時でさえも+3.2%も上昇したポートフォリオがあります。
オール・シーズンズ戦略
「レイ・ダリオの黄金のポートフォリオ」について

- 株式比率が低い(30%)
株式の変動を考えて30%となっている - 債権比率が高い(55%)
最小リスクにするため - コモディティがある(15%)
インフレ環境下で最大利回りを目指す
ゴールドは暴落時のヘッジとなる
一見すると保守的なポートフォリオですが、暴落時の耐性が強そうです。過去のチャートから安定感を検証します。
安定感検証
黄金のポートフォリオに合わせた、ETFを選別します。数あるETFから代表的で歴史的に長いETFを選抜しました。
株式:SPY
中期米国債:IEF
長期米国債:TLT
金:GLD
商品:DBC
期間:2006年~2021年
リバランス:毎年
配当金:再投資
投資方法:一括投資
※リバランス時の譲渡税、分配金にかかる税金を考慮していません。
暴落シュミュレーション
DBCが存在する、2006年から2021年までのシュミュレーションです。
このグラフの青色が黄金PFで赤色が米国株100%です。

一番運用利回りが悪い年で、
株式▲36.81%に対し、黄金PFは▲2.98%となり、
シャープレシオも
株式 0.66に対し、黄金PF 0.97と
黄金PFの方が優れています。
年平均成長率(CAGR)を見ると株式の方が優れていますが、2008年から約10年間に渡り、黄金PFをアンダーパフォームしています。
黄金PFの年間成長率も7.98%と決して低くない成長率を誇っております。
黄金のポートフォリオを作る
まず、黄金PFを作ります。
例えば100万円今持っているとしたら、株式を30万円、長期債券を40万円、中期債券を15万円、金を7.5万円、商品を7.5万円とします。
ETFへのコストを下げた方が高パフォーマンスとなるため、コストの低いETFを載せました。
対象商品 | ETF(信託報酬%) |
株式 | VOO(0.03)VTI(0.03) |
ゴールド | GLDM(0.18) |
商品 |
DBC(0.88)GSG(0.75)
|
長期債券(20年以上) | TLT(0.15)EDV(0.07) |
中期債券(7~10年) | IEF(0.15)VGIT(0.05)※ |
総合債券(短中期債券) | AGG(0.03)BND(0.035) |
※VGIT…米国中期国債 3~10年
総合債券を組み入れるときは、短期と中期債券の間の値動きとなりますので、組み入れるとなると、中期債券の代替となります。
リバランス(運用方法)
大切な資産がいつの間にか、リスク許容度を超えてしまわないように、年に1度は必要になります。
暴落シュミュレーションの青のチャートは年に1度のリバランスを行ったチャートです。

上のチャートが示すよう1年に1度見直すだけで、十分なリスク低減効果を発揮します。
リバランスの方法は1年経過後にアセットの比率を確認して、比率から大きく増加している資産を売却して、少ない比率の資産を買い増しする方法です。
注意点は、売却した時に税金が20.315%かかるという事です。この税金を考慮して、余計に売却することが必要となります。

注意点
黄金のポートフォリオにはいくつかの注意点があります。
- 米国個人投資家向けに作成された
- ETFの信託報酬や税金でのコストを極力下げる。
- 債権比率が55%と高く、ゼロ金利で配当金が想定以下となる。
現在、FRBを含め世界各国の中央銀行が量的緩和政策をとって、カネ余りの状態で、かつゼロ金利政策により、債権の金利が低くなっております。債券価格と金利は逆相関関係のため、現在、長期債券価格が高い状態がつづいています。
債権を今、組み入れたとしたら、FRBの金融収縮により債券価格が漸減する公算が高いと考えています。
今は、株・コモディティ・債権を力一杯買うのではなく、現金比率を高めながら、少額で積立していくのが良いと考えています。
まとめ
- 黄金のポートフォリオは、暴落時に強い
- リスク許容度が低い個人投資家には心強いPF
- 暴落時に強いPFを維持するために年1度のリバランスは大切
レイ・ダリオ氏の書籍です。株式投資をする以前に、ダリオ氏の人生と仕事の原則が多く記されています。株式の前に、時間を多くかけている仕事について考えさせられました。
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