こんな悩みがある方のために、記事を書きました。

引退後に、資産が無くなるのが心配…
そんな方のために、インデックス投資を取り崩す方法に関する記事を書きました。
“定額取り崩し” “定率取り崩し” の2つの4%ルールがあります。
- 4%ルールには定額と定率の2つがある。
- 定額取り崩し=トリニティ・スタディ
- 定率取り崩し=ウォール街のランダム・ウォーカー
どちらについても、築いた資産(stock)を取り崩して(flow)できる限り資産を減らさないといった考えはかわりません。
今回は“定率取り崩し”を紹介します。
定率での取り崩しは 毎年の資産残高×4%=取り崩し額 の定率で取崩し続ける方法となります。
他の4%ルールはこちらから
定率取り崩し=ウォール街のランダム・ウォーカー
【定率取り崩しメリット】
・資産額が減りにくい。
・超長期に資産を残せる。
・取り崩し時にリバランスできる。
【定率取り崩しデメリット】
・暴落時に取り崩し額が少額になる。
・取り崩し額が分かりにくい。
・対応する証券会社が少ない。
65歳で引退時の資産額 3,000万円
- 1年目の取り崩し額:(横這い)3,000万円✕4%=120万円
- 2年目の取り崩し額:(暴落)2,500万円✕4%=100万円
- 3年目の取り崩し額:(暴騰)3,200万円✕4%=128万円
伝説の投資家であるバートン・マルキール氏の著書『ウォール街のランダム・ウォーカー』で紹介されている方法です。
こちらの方法は 毎年の資産残高×4%=取り崩し額 の定率で取り崩す方法です。
長期的に見ると株式(S&P500)のリターンは平均7%、債権(米社債)は平均4%となります。株式50% 債券50%のポートフォリオを組むと期待リターンは5.5%になります。
そして、ここにインフレ率1.5%を考慮すると、毎年資産の増加見込み率は4%になります。
毎年増加する分を取り崩しても、元々の資産は減ることがないという理論です。
メリット
資産額が減りにくい
計算式の “毎年の資産” に4%を掛けますので、理論上毎年の資産残高がゼロになるまで取り崩しは永遠にできます。(実際には最低金額の指定があるから取り崩しが出来なくなる)
取り崩し時にリバランス可能
資産を長持ちさせるため、”株”と”債権”どちらかの資産価値が多い側を取り崩すのがベストです。
例えば株の割合が低くなると、購入した時と比較して割安になっているため、株を売ると、資産を大きく取り崩してしまいます。
取り崩し方法を工夫すると、資産が目減りするのを多少防止することが出来ます。
過去の動きを見ると、債権と株は多少 “負の相関” があります。
株が下がった時に債権が高くなり、逆に債権が高いと株が安い傾向があることが分かります。
例えば、株と債権のポートフォリオが50:50の場合
この関係性を利用して、株が高い時には、もともと50:50の比率が、60:40になります。
そうした場合、債権の売る割合を減らし、その分株を多く売ります。
そうする事により、取り崩しにより、自動的にリバランスが可能です。
デメリット
暴落時に取り崩し額が少額になる。
65歳で引退時の資産額 3,000万円
- 1年目の取り崩し額:(横這い)3,000万円✕4%=120万円
- 2年目の取り崩し額:(暴落)2,500万円✕4%=100万円
- 3年目の取り崩し額:(暴落)2,000万円✕4%=80万円
毎年120万円取り崩そうと計画していましたが、実際には暴落が長引いて
元本が1,000万円目減りしてしまったケースです。
2,000万円から元々の資産額に戻そうとすると、+50%のリターンが無いと戻せないです。
仮に資産の取り崩しを止めて、平均リターン5.5%あったと仮定しても、7~8年かかります。
元本に戻すためのハードルが高くなります。
取り崩し額が分かりにくい。
定額であれば、月に1,000$といった目安で取り崩しを行えます。
しかし、定率は債権、株それぞれの毎年の資産残高から、取り崩し率を掛けた金額を算出する必要があります。
定率取り崩しに対応する証券会社
投資信託であれば、定率売却サービスを行っているネット証券会社は楽天証券しかありません。
口座開設する場合はこちらから登録すると200ポイント貰えます。
定額:自動売却 | 定率:自動売却 | |
楽天証券 | ○ | ○ |
SBI証券 | ○ | × |
マネックス証券 | × | × |
資産を長持ちさせるための秘訣
資産を長持ちさせるために、暴落相場ではできるだけ取り崩し額を控えめにすると良いでしょう。
過去の暴落を振り返ってみると平均11ヶ月程度しか続きません。この暴落時に資産を取り崩すのは自分の資産を安売りしていることになります。
この暴落時には、取り崩し額を減らす調整をお勧めします。そして、相場が戻れば資産額は一気に回復します。
この少しの調整をするだけで自分の資産は自分の寿命より長生きさせることができます。
インデックス投資は毎年必ず5%増えるということではなく、+15%の年もあれば、▲10%の年もあり、大きく上下するってことです。
これを、20年、30年の長期で見れば運用利回りは安定しますが、短期で見るとかなり変動します。
まとめ
暴落時の想定を書いておりますが、定率取り崩しは、定額取り崩しと比べると、暴落時に資産取り崩し額が少なくなるので、資産を持続させる方法です。
S&P500は超長期的に右肩上がりで、アメリカは人口減少が無く、経済的に成長が見込めるため、リターンが-となる年が少ないです。
これは、人の考え方しだいですが、
生活防衛資金があれば、定率で取り崩した時に予定以上の金額だったら、ラッキーと思って、人生の楽しみに使うのも楽しい老後を過ごす秘訣かと思いました。