こんな悩みを解決できる記事を書きました!

配当金を節税する方法ってないの?と疑問を持っている方のために記事を書きました。
これまで、配当金にかかる税額を5%か7.2%のどちらかを選択する事が出来ましたが、2022の税制改正大綱で、確定申告した場合の住民税については7.2%もしくは8.6%となってしまいました。
サラリーマンでも配当金を受け取っている方は、確定申告することで、所得税は配当金の10%、住民税は2.2%の課税所得の控除〔1〕があります。
節税の恩恵を享受できる所得の分岐点を判断出来るようになるように『表』と控除適用とするための『条件』そして、『デメリット』について”ザックリ説明”で分かりやすく解説します。
〔1〕:1000万円まで2.2% 1000万円超過で1.4%の控除があります。
配当控除が適用される条件
特定口座の源泉徴収について
特定口座の源泉徴収『有り』『無し』どちらについても、配当金は税金の徴収が行われます。そのため、確定申告する必要がありません。
しかし、配当金を節税する方法があります。それが、確定申告を行い総合課税を選択することです。節税額は、配当金の内、10%が課税所得額から控除されます。(ちなみに1,000万円を超える部分については5%の減税となります。)

課税所得額?
課税所得額は、収入から諸々の経費などを引いた金額で、この金額へ累進課税率をかける事になります。
詳しく知りたい方へはリンクを貼っておきますので、参考にしてください。
配当控除のデメリット
先述した条件の3つ目がそのままデメリットとなります。
確定申告によるデメリット
被扶養者の方、つまり、学生および主婦の方など(サラリーマンでない方)が気を付けないといけないのが、確定申告によって、所得が発生してしまうという事です。父、夫もしくは子の扶養の範囲に入っていれば、配当金の額によって確定申告をしないようにしてください。
“健康保険の扶養”と”税の扶養”
『健康保険』については、各健康保険組合によって確認は必要となりますが、大抵60歳未満で130万円以下が要件となります。
健康保険の扶養については詳しくはこちらを参照下さい。
『税の扶養』について別の記事でわかりやすく解説します。
➡作成中
95%のサラリーマンがお得になる
総合課税を選択し、住民税する場合は課税所得が695万円以下のサラリーマンであれば節税効果が期待できます。
注意すべきところは、課税所得の695万円は年収ではなく、様々な所得控除を引いた後の課税所得となるため、695万円を超えるとなると、サラリーマンでも年収1,000万円を超える方でないと対象になりません。そのため、年収695万円を超えるサラリーマンの比率は約95%〔2〕です。つまり、約95%の方は総合課税を選択すれば節税効果が期待できます。※配当金を含めた課税所得で考える必要があります。
〔2〕:2019年の国税庁「民間給与実態統計調査」から分類された、”年収データ”から採用。
課税所得額695万円=年収1070万円-給与所得控除172万-社会保険料132万-基礎控除48万
出典:年収ガイドにおいて、収入900万円以下が 95.12%
具体的な控除率
ここからは少し、頭を使うことになる数字の話になります。
源泉徴収されている税額は所得税15%、住民税5%合わせて、20%(復興税2038年まで所得税に0.315%の加算ありのため20.315%)の税額が引かれた金額が受給されています。この税率より少ない税率であれば、総合課税を選択すると節税される。つまり、確定申告するメリットがあると言えます。
下の表は、配当金の課税率と控除率です。
配当金の課税率と控除率
課税所得額 | 所得税(配当控除額) | 住民税(配当控除額) |
1,000万円以下 | 累進課税(▲10%) | 7.2%(▲2.8%) |
1,000万円超の部分 | 累進課税(▲5%) | 8.6%(▲1.4%) |
表1
2023年まで、確定申告の”住民税課税方法の選択”へ『〇』を付けるだけで、住民税額は5%へ留めることが可能でしたが、2024年から不可能(実質増税)となりました。
これにより、“国民健康保険料”が増加することになります。しかし、サラリーマンである場合は、社会健康保険である方が大半〔3〕なため、国民健康保険料が上がろうが関係ありません。
〔3〕:従業員数が100人超、2024年には50人超となる企業は、社会保険となります。
累進課税における実質税率
この表の課税所得は、給与所得に配当金を加算した金額になります。
課税所得額 | 税率(抜 復興税)※ | 配当金の 所得税控除率 |
配当金の実質税率 |
43万円以下 | 0% | 0% | 0%(▲20%) |
48万円以下 | 0% | 0% | 7.2%(▲12.8%) |
125万円以下※未成年者〔4〕 | 5% | 0% | 0%(▲20%) |
195万円以下 | 5% | 0% | 7.2%(▲12.8%) |
195万円超 ~ 330万円以下 | 10% | 0% | 7.2%(▲12.8%) |
330万円超 ~ 695万円以下 | 20% | 10% | 17.2%(▲2.8%) |
695万円超 ~ 900万円以下 | 23% | 13% |
20.2%(0.2%増税)
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900万円超 ~ 1,000万円以下 | 33% | 23% |
30.2%(10.2%増税)
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1,000万円超 ~ 1,800万円以下 | 33% | 28% |
36.6%(16.6%増税)
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1,800万円超 ~ 4,000万円以下 | 40% | 35% |
43.6%(23.6%増税)
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4,000万円超 | 45% | 40% |
48.6%(28.6%増税)
|
表2 ※2038年まで復興税が加算されます(2.1%)
表2は累進課税率と住民税の課税方式が一律となった時の実質負担税率です。
これまでは900万円以下の方であれば、節税効果がありました。しかし、2022年度の税制改正大綱に伴う、税制改悪により、節税対象者が695万円以下となりました。
ただし、この695万円は課税所得金額となりますので、給与所得のみの方ですと、年収1,070万円程度の方までが対象となります。
この累進課税や様々な控除について別の記事で記載しましたのでリンク貼っておきます。
〔4〕:各区、市町村のホームページを確認すると、多くの自治体で未成年の別の記述が見つかります。そこには『合計所得金額 125万円以下は課税しない』ことから課税されません。
確定申告前の確認事項
「確定申告して少しでもお金を取り戻すぞ!!」と思っている方に3つ確認してほしい事があります。
節税効果を算出する
“確定申告を行う手間”がどうしても必要となりますので、源泉徴収を確認して自分の『課税率』、『節税額』をおおよそ把握して、申告する or しない を判断した方が結果して、時間の節約になります。
デメリットの確認
先述しましたように、誰かの“税の扶養”と“健康保険の扶養”に入っていないか確認が必要です。とりわけ、“健康保険の扶養”となっている場合は、国民健康保険料が発生する事になりますので、想定外の出費が必要となります。
サラリーマンの約95%の方が節税の恩恵がある控除のため節税効果の確認と、節税の喜びを是非実感してほしいです。
必要書類
- 源泉徴収票
- 配当金支払通知書のコピー
(配当金が課税されたことを証明する書類)
配当控除の申告は還付申告となるため、2月17日より前に申告することができます。そのため、申請時期は上に書いた必要書類がそろってから申請することが可能となります。
そのため、2月17日から3月16日までは個人事業主の方の申告が多いため、この時期を避けると良いです。具体的には1月下旬から2月15日までです。税務署で申請しても混雑していません。
私が実際に申告をしてみて感じた人の数は2月17日になると5倍くらいになると感じました。
(現在はコロナ禍の影響もあり2月17日以降はWeb予約や整理券が配布されているようです。)
まとめ
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